かつお節削り器の選び方

matsusaku2015-01-08








鰹節削り器の選び方(価格と性能)

ひとくちに鰹節削り器と言っても、価格は3,000円代〜50,000円代まで様々です。

一体その違いはどこにあるのでしょうか・・・


1.一番の違いは刃の材質と切れ味です。

価格の安いものはSK全鋼材と言って、1種類の鋼材のみで制作したものです。

SK鋼でも鍛造材(たんぞうざい)なら硬いので、切れ味が良くなります。

良い鉋刃は、やわらかい地金と硬い鋼(はがね)を鍛接してあります。

SK鋼より硬い鋼材には、
安来鋼(やすきはがね)などの特殊鋼材もあります。

安い鰹節削り器は、鋼材の情報があまり詳しく書かれていない場合が多いです。


2.その他の価格差は、鉋刃の幅や箱の大きさです。

よい鉋刃は、幅が数ミリ広いだけで価格はかなりUPします。

外箱や鉋台の木材は、天然木でも木目が広く柔らかい輸入材だと安くなります。


松作商店の鰹節削り器で「松」より上のクラスは、国産の硬い白樫を鉋台に使用しています。

また、外箱は桐材がおすすめです。

桐材はほとんどが合板ですが、軽くて強度があるのが合板の利点です。

桐は、防水や防虫効果もすぐれています。




【松作商店のかつお節削り器】

下の写真は、当店の鰹節削り器です。



※画像クリックで拡大

左から
【竹】【松】【鶴】です。

比べると、鉋台の厚さと箱の大きさの違いがわかります。

それに比例して鉋刃の幅も違ってきます。

鉋刃は【竹】がSK全鋼材、【松】がSK鍛造材、【鶴】が安来鋼青紙となります。

【松】に柿渋塗装をした
【天竜】や、刃を青紙にした【松青紙】もございます。

お試しで使うのなら
【竹】、長く使うのなら【松】以上をおすすめします。

1万円の削り器でも、10年使えば1年あたり1,000円です。

良い削り器は刃が硬いので、砥ぐ回数も少なくて済み長い目で見るとお買い得です。




次の写真は、左から【鶴】 【悠久】 【常三郎青紙】です。



最初の写真右端の【鶴】が、この写真の左端です。

その大きさの違いを比べてみてください。

一番右の
【常三郎青紙】は、外箱の長さが33cm もあるプロ仕様です。

この大きさで、防虫防水効果の高い柿渋を塗った
【宝船柿渋】もございます。

通常は桐箱ですが、真ん中の
【悠久】
板前さんや料理店の開店祝いなど、贈り物としてもおすすめです。



価格と性能を吟味して、ご使用状況に合わせた鰹節削り器をお選びください。