浜松肴町の酉の市

matsusaku2006-11-04

今日は11月最初の酉の日。
関東圏では、商売繁盛を願って酉の市が行われている。
「酉の市」は浅草の鷲神社が有名で、関東特有の行事だ。
それ以外の地方ではほとんど見かけない。
ちなみに、関西地方ではこの時期、恵比寿講の縁日で商売繁盛を祈願する。



・・・が、今日は当地、浜松市肴町の大安寺で、酉の市をやっている。


昔江戸では「酉」と「取り」をかけ、人気を取る・儲けをとると商人がこの市に集まり、商売繁盛を祈願し、熊手を買って福を掻き込むと縁起を担いだ。
この熊手は、毎年大きなものに買い換えると良いとか、自分で買うより人に買って貰う方が良いとかいわれている。(ちょっと露天商が「風説の流布」をしたような気もするが・・・)

でも、縁起物なので、11月11日に中華料理屋をオープンする知り合いがいるので、彼に熊手を1本買ってプレゼントした。
そしたら、彼も早速酉の市で熊手を買ってきてお返しをくれた。律儀な人間だ。そんな人情が楽しかったりもする。こうやって民衆の文化って続いていくんだな・・・なんて感じがした。



浜松の酉の市のはじまりは、明治23年(1894年) に浜松田町の玩具問屋「かすみや」店主織田利三郎が、浜松板屋町(現旭町)の法雲寺境内に初めて「酉の市」を開いた、という記録が残っている。 そのとき玩具の浜松張子が人気だったそうだ。


ちなみに、今年は11月4日(土)と16日(木)と28日(火)の3回ある。
酉の市は11月の中で12日に1度廻ってくる酉の日に行う。
11月中に2回ある年のほうが多いのだが、今年のように3回あると火事が多いといわれている。
いつもだと、酉の市は寒いというイメージだが、今年はいつもよりかなり暖かい。
暖冬になるのだろうか。



今では露店の数も少なくなってしまったが、僕の子供の頃は30件くらい並んでいた。
印象にあったのは、炒った椎の実(しいのみ)を売っていた露店で、酉の市というと必ず買っていた。
今は縁日に行っても「しいの実の露店」は殆ど見なくなってしまった。


毎年大安寺では、地元肴町発展会・肴町自治会のご奉仕で、境内で甘酒を無料で配っている。
寒い酉の市にはぴったりの甘酒を、是非、味わってみてはいかがだろうか。
肴町酉の市の様子はこちら




【東京の酉の市のはじまり】
酉の市の始まりは、東京の足立区花畑にある大鷲神社に、近在の農民が鎮守である「鷲大明神」に感謝した収穫祭であったと伝えられている。
祭りの日、氏子たちは鷲大明神に鶏を奉納し、終わると集まった鶏は浅草の浅草寺まで運び、観音堂前に放してやったといわれる。


【浅草鷲神社】
酉の市といえば浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ)が有名だ。
鷲神社の社伝によると、
天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天之岩戸にお隠れになり、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が、岩戸の前で舞われた折、弦(げん)という楽器を司った神様がおられ、天手力男命(たぢからおのみこと)が天之岩戸をお開きになった時、その弦の先に鷲がとまったので、神様達は世を明るくする瑞象を現した鳥だとお喜びになり、以後、この神様は鷲の一字を入れて鷲大明神、天日鷲命(あめのひわしのみこと)と称される様になりました。

天日鷲命は、諸国の土地を開き、開運、殖産、商賣繁昌に御神徳の高い神様としてこの地にお祀りされました。
 


後に日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征討の際、社に立ち寄られ戦勝を祈願し、志を遂げての帰途、社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをされました。
その日が十一月酉の日であったので、この日を鷲神社例祭日と定めたのが酉の祭、「酉の市」です。この故事により日本武尊が併せ祭られ、御祭神の一柱となりました。
ということだそうです。


※酉の市が行われる東京都内の主の神社
足立区:花畑大鷲神社葛飾区:葛飾神社、江戸川区香取神社台東区:浅草鷲神社、文京区:巣鴨大鳥神社、豊島区:大鳥神社、新宿区:花園神社、目黒区:大鳥神社、中野区:北野神社、江東区富岡八幡宮



【酉の市と熊手】
酉の市では、小さな竹の熊手にたわわに実る稲穂を付けたお守りが売られていますが、熊手で福をかっ込むという意味が込められており、福を「はき込む」といって開運招福・商売繁盛を願った、江戸っ子らしい洒落の利いた縁起物です。
ちなみに、当肴町の大安寺では達磨も売られています。

◎熊手の祭り方
 1) 玄関--福を取り込みやすいように入り口に向けて、少し高いところに飾る
 2) その他--熊手の正面を南、東、西などに向けて、室内の少し高いところに飾る。
 3) お寺や、神社で授かった「熊手守り」なら神棚や仏壇がある場合そこにまつるのも良い。
 4) 出来ることなら熊手の正面を北に向けて飾るのは避けたほうが良い。
以上のように言われていますが、上記条件に当てはまらないときは飾ってみていちばん収まりの良い場所にやや高く飾るのが良いでしょう。
 5) 古い熊手は、新しい熊手を買うときお寺・神社の持ってくればお納め所があります。